小金井市医師会からのメッセージ(新型コロナワクチンについて その2 接種できる方できない方)

更新日:2021年3月16日

一般社団法人 小金井市医師会

新型コロナワクチンについて その2 接種できる方できない方

新型コロナワクチン、自分は接種して大丈夫なの?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

今回は、接種できる方できない方、接種する際注意が必要な方について解説します。現在国内で承認されているのはファイザー・ビオンテック社のmRNAワクチンですので、このワクチンを念頭にお話します。

1.いつなんどきでも接種できない方(禁忌)

  1. 1回目の新型コロナワクチン接種でアナフィラキシーなど重度のアレルギー反応がでた方
  2. 本ワクチンの成分であるポリエチレングリコール(PEG)にアレルギーのある方

(解説)
1 1回目を接種した際に重度のアレルギー反応が出た方は、2回目の接種を受けられません。
2 PEGは多くの医薬品や化粧品等に含まれており、古くから食品添加物としても使用されています。これらに対するアレルギーの報告はかなりまれです。医薬品でアレルギーが出たり化粧品でかぶれた方もいらっしゃると思いますが、他の成分もたくさん含まれており、PEG以外が原因となっていることがほとんどであると考えられます。

2.今は接種できないが、タイミングをずらせば接種可能な方

  1. 接種当日37.5度以上の発熱がある方
  2. 重い急性疾患を患っている方
  3. 1回目の接種から21日経っていない方

(解説)
1 熱が下がって体調がよくなれば接種できます。
2 治療して病状が安定し、主治医が可能と判断すれば接種できます。
3 ファイザー・ビオンテック社の新型コロナワクチンは20日の間隔をおいて2回接種します。

3.接種に注意が必要な方

  1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患のある方
  2. けいれんの既往のある方
  3. 免疫不全と診断がされている方や近親者に先天性免疫不全症がいる方
  4. がんと診断されている方
  5. 他の予防接種の後2日以内に、発熱や全身に発疹が出るなどアレルギーを疑う症状が出たことのある方
  6. ワクチンの成分に対してアレルギー反応の出るおそれのある方

(解説)
ワクチン接種後は通常15分間待機していただき体調を確認しますが、場合によっては30分経過をみます。

1・2 病状が安定していて主治医が可能と判断すれば接種できます。

3・4 病状が安定していて主治医が可能と判断すれば接種できます。一般に、生ワクチン以外のワクチン接種で免疫不全やがんの患者さんで副反応が増えるということは考えにくいが免疫がつきにくい可能性はある、とされています。主治医とよくご相談ください。

5・6 接種できます。接種後30分間待機していただきます。

4.接種できる方

  1. 花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎
  2. 気管支喘息
  3. ワクチン以外のもの(薬、食べ物、動物、ラテックス等)にアレルギー反応を起こしたことがある方
  4. 血が止まりにくくなる薬を服薬中の方
  5. 採血や注射で迷走神経反射(失神)をおこしたことのある方

(解説)

1 問題ありません。

2 病状のコントロールが不良の際は接種後30分間待機していただきます。主治医にご相談ください。

3 アナフィラキシーなど重度のアレルギー反応が出たことのある方は、接種後30分間待機していただきます。

4 接種後2分間圧迫していただければ問題ありません。

5 寝て接種できます。接種後30分間待機していただきます。

5.こんな時はどうしたらいい?

1 妊娠している方

国立成育医療研究センターは次のような見解を出しています。「添付文書では、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種することと記載されています。動物試験では、母動物が接種することで動物の赤ちゃんに悪影響は見られませんでした。現在、妊婦さんに対する調査が進行中です。妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると、感染していない妊婦さんと比べて重症化する割合や早産等が多いとの報告もあり、妊娠を理由に接種を控える必要はないと考えます。」(国立成育医療研究センターHPより) 米国CDC(疾病対策予防センター)も同様の見解です。

2 授乳中の方

十分なデータは出ておりませんが、米国CDCは感染リスクの高い人や重症化リスクの高い人は授乳中でも接種を考慮してよいとしています。また、国立成育医療研究センターは次のような見解を出しています。「母乳中への移行について現時点では調べられていません。このワクチン成分の性質から、母乳移行量は非常に少なくなると考えられています。さらに多少のワクチン成分を含んだ母乳を赤ちゃんが飲んだとしても、その性質からは赤ちゃんに悪影響が及ぶとは考えられません。授乳中のワクチン接種は問題ないと考えます。」(国立成育医療研究センターHPより)

3 16歳未満の方

現時点では接種の対象となりません。現在12歳以上の小児を対象とした治験がファイザー・ビオンテック社とモデルナ社で開始されており、将来的には接種対象となる可能性があります。接種できない子供たちを守るためにも、まわりの大人が接種することが大切です。

4 新型コロナウイルスに感染したことのある方

すでに感染した方も、接種が推奨されています。再感染を防ぐためと、ワクチン接種のほうが抗体価が高くなることが知られているためです。米国CDCは療養期間が終了し、体調がよくなってからの接種を勧めています。

また、入院して治療を受けられた方の中で回復期血漿療法やモノクローナル抗体治療を受けた方は、90日経過してからの接種が勧められています。

感染したことのある方は、1回のワクチン接種で十分な免疫がつくという報告も出ておりますが、これについてはまだ統一見解は出ておりません。

6.最後に

小金井市では、市内の40か所以上の指定医療機関および2か所の集団接種会場で新型コロナワクチンが接種できるようになる予定で、着々と準備を進めております。(詳細は追って市報、市のホームページ、医師会のホームページ等でご案内いたします。)

かかりつけ医が指定医療機関であれば、そこでの接種をお勧め致します。集団接種会場にも小金井市医師会の医師が常におります。

皆様が安全にワクチン接種を受けられるよう万全の準備をしておりますので、どうぞ安心していらしてください。

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お問合わせ

健康課(新型コロナウイルス感染症対策小金井市コールセンター)

電話(フリーダイヤル):0120-663-302(令和6年3月29日(金曜)まで)
FAX:042-316-7667(聴覚障がいのある方など)(令和6年3月31日(日曜)まで)

健康課健康係
電話:042-321-1240(令和6年4月1日(月曜)から)
FAX:042-321-6423(聴覚障がいのある方など)(令和6年4月1日(月曜)から)