土地の負担水準・負担調整措置について
土地の固定資産税・都市計画税には、土地ごとの税負担の均衡を図るとともに、税負担が急激に上昇することを抑えるため、「負担調整措置」という仕組みがあります。
負担調整措置は、「負担水準」という割合に応じて、その年度の課税標準額を調整するものです。
このため、土地の評価額が前年度と同じ場合や、地価が下落している場合でも、負担水準によっては税額が上がることがあります。
1 評価額と課税標準額の違い
「評価額」とは、固定資産評価基準に基づいて決定した土地の価格です。
一方、「課税標準額」とは、実際に固定資産税・都市計画税の税額を計算する際の基礎となる額です。
土地については、住宅用地に対する課税標準の特例や負担調整措置などがあるため、評価額と課税標準額が同じになるとは限りません。
固定資産税・都市計画税は、原則として次のように計算します。
税額 = 課税標準額 × 税率
2 負担水準とは
負担水準の意味
「負担水準」とは、その土地の前年度の課税標準額が、本年度の本則課税標準額に対して、どの程度の水準にあるかを示す割合です。
負担水準は、次の算式により求めます。
負担水準(パーセント)= 前年度課税標準額 ÷ 本年度の本則課税標準額 × 100
負担水準の計算例
例えば、本年度の本則課税標準額が400万円、前年度の課税標準額が360万円の場合、
360万円 ÷ 400万円 × 100 = 90パーセント
となり、負担水準は90パーセントです。
これは、前年度の課税標準額が、本年度の本則課税標準額の90パーセントの水準にあることを表しています。
3 負担調整措置とは
土地の評価額は、地価の変動などを反映して見直されます。
しかし、評価額が上昇した場合に、その上昇分をそのまま課税標準額に反映すると、税負担が急激に増加する場合があります。
そこで、土地の固定資産税・都市計画税では、土地ごとの負担水準に応じて課税標準額を調整し、税負担の急激な上昇を抑えながら、土地ごとの税負担の均衡を図る「負担調整措置」が設けられています。
4 住宅用地の負担調整措置
住宅用地の本則課税標準額
住宅用地の場合は、住宅用地に対する課税標準の特例を適用した後の額が、本則課税標準額となります。
住宅用地に対する課税標準の特例については、「住宅用地の特例について」をご覧ください。
負担水準が100パーセント以上の場合
本年度の課税標準額は、本年度の本則課税標準額となります。
負担水準が100パーセント未満の場合
原則として、次の算式により本年度の課税標準額を求めます。
前年度課税標準額 + 本年度の本則課税標準額 × 5パーセント
ただし、計算した額が本則課税標準額を上回る場合は本則課税標準額とし、本則課税標準額の20パーセントを下回る場合は20パーセント相当額とします。
5 商業地等の宅地の負担調整措置
商業地等の宅地とは
店舗、事務所、駐車場、空き地など、住宅用地以外の宅地等については、住宅用地とは異なる負担調整措置が適用されます。
負担水準が70パーセントを超える場合
本年度の課税標準額は、
本年度評価額 × 70パーセント
となります。
負担水準が60パーセント以上70パーセント以下の場合
本年度の課税標準額は、前年度の課税標準額に据え置きます。
負担水準が60パーセント未満の場合
原則として、次の算式により本年度の課税標準額を求めます。
前年度課税標準額 + 本年度評価額 × 5パーセント
ただし、計算した額が本年度評価額の60パーセントを上回る場合は60パーセント相当額とし、本年度評価額の20パーセントを下回る場合は20パーセント相当額とします。
商業地等の宅地の負担調整のまとめ
| 負担水準 | 本年度の課税標準額 |
|---|---|
| 70パーセント超 | 本年度評価額の70パーセント |
| 60パーセント以上70パーセント以下 | 前年度課税標準額に据え置き |
| 60パーセント未満 | 前年度課税標準額+本年度評価額×5パーセント(上限・下限あり) |
6 よくある質問
Q1 評価額と課税標準額は同じものですか
同じとは限りません。
評価額は、固定資産評価基準に基づいて決定した土地の価格です。課税標準額は、実際に税額を計算する際の基礎となる額です。
住宅用地に対する課税標準の特例や負担調整措置などが適用されるため、評価額と課税標準額が異なる場合があります。
Q2 評価額が変わっていないのに税額が上がることはありますか
あります。
前年度の課税標準額が本年度の本則課税標準額に達していない場合には、負担調整措置によって課税標準額が段階的に引き上げられるため、評価額が変わっていなくても税額が上昇する場合があります。
Q3 地価が下がっているのに税額が上がることはありますか
あります。
土地の税額は、その年度の地価の動きだけで決まるものではありません。
評価額が下がった場合でも、前年度の課税標準額が本年度の本則課税標準額に比べて低い水準にある場合には、負担調整措置によって課税標準額が上昇し、税額が上がることがあります。
Q4 評価額が10パーセント上がったら、税額も10パーセント上がりますか
必ずしも同じ割合で上がるものではありません。
土地の固定資産税・都市計画税は、住宅用地に対する課税標準の特例や負担調整措置などを適用した課税標準額を基に計算します。
このため、評価額の上昇率と税額の上昇率は必ずしも一致しません。